その不動産業者、大丈夫ですか。自分で調べる方法と、苦情の伝え先

コンクリートの官公庁ビルを下から見上げた写真。四角い窓が規則正しく並び、曇り空が広がっている 投資の基礎知識・考え方

「あの会社、やばいのかな」と思ったとき。多くの方が、まず口コミを検索すると思います。

でも口コミは、書いた人の主観です。免許番号と処分歴なら、国のサイトで誰でも確かめられます。

調べ方と、苦情をどこに伝えればいいのかをまとめました。

まず、免許番号を調べます

国土交通省の宅地建物取引業者検索で、会社名から調べられます。

出てくるのは、免許行政庁・免許証番号・商号・代表者名・所在地です。こういう形で表示されます。

東京都/(2)第◯◯◯◯◯号/株式会社△△/東京都◯◯区…

いちばん左の「東京都」が免許行政庁——その会社に免許を出した役所です。あとで苦情を伝えるときに、ここが窓口になります。

括弧の数字で、営業年数が読めます

宅建業の免許は5年ごとの更新です。括弧の数字は、その更新回数を表しています。

  • (1) … 免許を取ってから5年未満
  • (2) … 5〜10年
  • (9) … 40年前後

数字が大きいほど長く営業しているということです。ただし会社の良し悪しとは別の話です。長く続いていても処分を受けている会社はありますし、新しくても真面目な会社はあります。

処分歴を調べます

国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで、会社名を入れて検索します。

出てくるのは、処分の年月日・処分した行政庁・事業者名・本社住所・処分の種類・処分内容です。

処分の種類は、国のサイトで4つに分かれています。

種類内容
免許取消免許が取り消され、宅建業を続けられなくなります
業務停止期間を決めて営業を止められます
指示違反をあらためるよう命じられます
行政指導上の3つより軽い「注意」の扱いになります

このサイトで検索できるのは2015年以降の処分です。それより前のことは出てきません。

「0件」は「処分を受けたことがない」という意味ではありません。「2015年以降の記録にはない」という意味です。

2015年より前を調べたいとき

免許を出した役所が、処分のたびに公表しています。

免許番号が「◯◯県知事」なら、その都道府県のホームページです。「宅地建物取引業者 監督処分 ◯◯県」で検索すると出てきます。

免許番号が「国土交通大臣」なら、地方整備局です。関東地方整備局や中部地方整備局が、それぞれ公表しています。

ただし、都道府県によって公表のしかたも、遡れる年数も違います。処分の結果を一覧で載せている県もあれば、処分の基準だけを載せている県もあります。

苦情は、免許を出した役所に伝えます

地方にお住まいでも、買わされた物件は東京や大阪の繁華街にある——ということが少なくありません。今は通信が発達しているので、地方の方が都市部の物件を買うことは難しくありません。

苦情を伝える先は、その会社に免許を出した役所です。免許番号に「東京都知事」と書いてあれば東京都、「国土交通大臣」なら地方整備局が窓口になります。

どこに電話すればいいかは、国土交通省が一覧にしています。

都道府県に関する窓口(国土交通省)

47都道府県すべての担当課名と電話番号が載っています。ご自分の都道府県の行を見てください。

国土交通省は、悪質な勧誘についてこの役所に知らせてほしいと案内しています。

そのとき記録しておくよう国が挙げているのが、この6つです。

記録すること書き方の例
日時9月3日 19時ごろ(時刻まで)
正確な会社名株式会社〇〇(略さずに)
会社所在地名刺やパンフレットに載っている住所
免許証番号東京都知事(2)第〇〇〇〇号
担当者名フルネーム。名乗らなければ「名乗らず」
具体的なやり取り言われたこと、こちらが答えたこと

「もう電話しないで」と業者に伝えたのにまた営業電話があったら

一度、断った時点で法律は発動しています。

宅地建物取引業法では、相手が「契約しない」「今後の勧誘を受けたくない」という意思を示したにもかかわらず勧誘を続ける行為が禁止されています(法第47条の2第3項)。

つまり、一度断った後にかかってくる電話は、法律違反にあたります。

断ったのに電話が続く場合は、免許を出した役所に伝えてください。そのとき「いつ、誰に、断ったか」が記録として効いてきます。

サブリース業者のことなら、国に直接伝えられます

サブリース契約で困っている方には、もうひとつ窓口があります。国土交通省の「申出制度」です。

メール1本で、全国どこからでも送れます。

hqt-chintai-moushide@gxb.mlit.go.jp

伝えられるのは、こういうことです。

  • いいことばかり強調した広告を見せられた
  • 家賃が下がることを聞かされないまま契約した
  • 契約前の重要事項説明がなかった

国が調べて、必要なら会社に立入検査をします。違反があれば処分になります。国土交通省のページには、こう書かれています。

申出は、被害を受けた本人に限らず、個人、法人を問わず誰でも行うことができます。

ただし、2つ知っておいてください。

ひとつ。この制度は、あなたのトラブルを解決するものではありません。国が業者を調べるための窓口です。困りごとそのものの相談先は、この記事の前半に書いた役所になります。

ふたつ。申出書には、あなたの氏名・住所・電話番号を書きます。匿名では出せません。

申出書の様式は、国土交通省のページからダウンロードできます。

名簿がどこから来ているのかは「その勧誘電話、偶然じゃありません」に書きました。

相談先が分からない方は「「助けて」と思ったら。無料で相談できる公的な窓口」もあわせてご覧ください。

最後に

口コミを何時間読んでも、確かなことは分かりません。

免許番号なら、5分で調べられます。

そして、おかしいと思ったことは、行政に伝えていいのです。

参考にした資料

この記事を書いた人
いずみ

宅地建物取引士。不動産業界での実務経験を持つ元スタッフ。サブリース解約・売却支援・賃貸管理など、困ったオーナーさんに寄り添ってきた経験から、業界の本音を届けます。知識より経験を大切に、一緒に考えていきます。

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