「スマホに知らない番号から、突然マンション投資の営業電話がかかってきた」
「なぜ自分の名前と勤務先を知っているんだろう?」
そんな経験はありませんか。
私がワンルームマンションのオーナーさんの契約やご相談に携わってきた経験から言えるのは、勧誘の電話は偶然かかってくるものではない、ということです。
あなたに電話が来たのは、「選ばれている」からです。
この記事では、どんな人が狙われやすいのか、なぜオーナーさんの連絡先が知られているのか、そしてどう断ればいいのかをお伝えします。
勧誘電話が来た時点で、オーナーさんは「名簿」に載っている
営業マンは、電話帳を適当にめくって電話をかけているわけではありません。多くの場合、手元には「リスト」があります。
私が業界にいた頃も、オーナーさんに購入のきっかけを伺うと、電話営業がきっかけだったという方がほとんどでした。
つまり、電話が鳴った時点で、オーナーさんの氏名・勤務先・場合によっては年収の見当まで、相手の手元にあると考えたほうがいいのです。
狙われやすいのは、こんな人
私が接してきたオーナーさんには、はっきりした共通点がありました。
・公務員の方
・医師・看護師などの医療職の方
・安定した企業にお勤めの会社員の方
年齢層は30代後半〜50代前半の働き盛り。そして皆さんに共通していたのは、収入は安定しているけれど、忙しくて自分のためにお金を使う時間がなく、貯蓄がそこそこあるという点です。
なぜこの層が狙われるのか。理由はシンプルで、金融機関のローン審査に通りやすいからです。業者にとって大事なのは「買いたい人」ではなく「買える人」。安定した職業と勤続年数は、そのまま与信力=売りやすさになります。
そして、忙しくてお金の勉強をする時間がないことも、業者から見れば好条件です。じっくり比較検討される前に、契約まで進めやすいからです。
持ちかけられ方のパターン
① 携帯電話や職場などへの電話営業
「節税のご案内です」「資産形成のご提案です」——投資マンションの勧誘だとすぐには言わない切り出し方が典型です。実は、社名・担当者名・勧誘目的を告げずに勧誘すること自体が宅建業法で禁止されています(後述します)。
② マッチングアプリ・SNS
恋愛や交流を装って距離を縮めてから投資の話につなげる、いわゆるデート商法型です。「会ってすぐお金や投資の話が出る」のは要注意のサインです。
③ 友人・先輩・同僚からの紹介
「いい話がある」と紹介されるパターン。紹介した本人も業者に取り込まれているだけで、悪意がないことも多いのが厄介なところです。
④ 無料セミナー・アンケート
「年金対策セミナー」「アンケートに答えて商品券プレゼント」など、入口は投資と関係なさそうな顔をしています。連絡先を書いた時点で、リスト入りと考えてください。
オーナーさんの情報はどこから来たのか——「名簿屋」の話
あまり知られていませんが、「名簿業者」という商売は合法的に存在します。
個人情報保護法には「オプトアウト」という仕組みがあり、個人情報保護委員会に届出をするなどの条件を満たせば、本人の同意なしに個人データを第三者へ提供(販売)できる場合があるのです。
名簿の材料になるのは、たとえばこんな情報だと言われています。
・卒業名簿・同窓会名簿
・資格者の名簿
・懸賞やアンケートの応募情報
・資料請求やイベント参加の登録情報
なお、2022年施行の法改正で、不正に取得された情報のオプトアウト提供は禁止されるなど、規制は強化されています。それでも、過去に出回った名簿が使われ続けている現実はあります。
一度名簿に載った情報を完全に消すのは、正直かなり難しいです。だからこそ、「これ以上載せない」ことが現実的な自衛になります。
ポイ活・無料キャンペーンの落とし穴
「これ以上載せない」ために見直してほしいのが、個人情報の出し先です。
ポイントサイトや無料プレゼントキャンペーンの中には、登録した個人情報を「第三者に提供すること」への同意が規約に含まれているものがあります。規約の奥にある同意条項を読まずに登録すると、その情報がどこへ渡るかは分かりません。
ポイントがもらえる仕組みには、必ず理由があります。「ポイントと引き換えに、自分は何を渡しているのか」を一度立ち止まって考えてみてください。
もちろん、ポイントサービスのすべてが危険という意味ではありません。運営元と規約を確認してから使う習慣が、いちばんの自衛になります。
断り方——一度断れば、再勧誘は法律違反
宅建業法では、勧誘についてこんなルールが定められています。
・社名・担当者名・勧誘目的を告げずに勧誘することは禁止
・「契約しない」と意思表示した相手への再勧誘は禁止
・迷惑な時間帯の電話や訪問は禁止
・脅すような言動(威迫)は禁止
だから、断るときは曖昧にしないことが大切です。
「投資用マンションを買うつもりはありません。今後の勧誘もお断りします」
とはっきり伝えてください。「今は考えていない」「お金がない」という断り方だと、「では時期を改めて」「ローンが組めるんです」と続ける隙を与えてしまいます。
それでも電話が続くようなら、日時・会社名・担当者名・やり取りの内容をメモに残して、業者の免許行政庁(都道府県の宅建業担当窓口など)や消費者ホットライン(188)に相談してください。記録があるだけで、話がずっと進めやすくなります。
もう買ってしまった方へ
このブログは本来、すでにワンルームマンションをお持ちの方に向けて書いています。
「断れずに買ってしまった」「サブリース契約がついている」「売りたいけれど何から始めればいいか分からない」——そんな方は、こちらの記事で一緒に考えていきましょう。
・サブリース契約を解約したい方へ → ワンルームマンションのサブリース契約は解約できる。実際に解約をやり遂げた経験から
・売却の第一歩を知りたい方へ → ワンルームマンションを売りたい、でも何から始めればいいかわからないあなたへ
・「この物件、なんか変かも」と感じている方へ → そのワンルームマンション、なんか変だと思いながら持ち続けていませんか
まとめ
勧誘の電話は、偶然ではありません。名簿をもとに、「ローンが通る属性」のオーナーさんを狙ってかかってきています。
・狙われやすいのは、収入が安定していて忙しい人
・情報の出どころは名簿。懸賞やポイ活の登録も材料になり得ます
・一度はっきり断れば、再勧誘は法律違反。続くなら記録して相談窓口へ
仕組みを知っていれば、必要以上に怖がることはありません。この記事が、オーナーさんの防波堤になってくれたら嬉しいです。

