「損してない」は本当か。ワンルームを持ち続けるコストを考える

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不動産投資で一番大事なのは、出口だと私は現場で学びました。

入居者が入っていて、毎月の収支がほぼゼロ。赤字でもない。だから「まあいいか」とそのまま持ち続けているというオーナーさんもいらっしゃいました。

でも、「損していない」と「得している」は、まったく別のことです。

この記事では、収支がトントンでもワンルームマンションを手放すことを検討すべき理由を、現場の経験をもとにお伝えします。


①「トントン」に見えても、見えていないコストがある

毎月の収支を計算するとき、多くのオーナーさんが見落としているコストがあります。

  • 修繕積立金の将来的な不足:築年数が上がるほど、大規模修繕の費用は増えます。積立金だけでは足りないケースも珍しくありません。
  • 設備の交換費用:エアコン・給湯器・水回りは、10〜15年で交換時期を迎えます。数十万円の出費が突然やってきます。
  • 空室期間のリスク:退去が出て次の入居者が決まるまでの間、ローンだけが続きます。

毎月の収支だけを見ていると、これらが「なかったこと」になってしまいます。


②「機会損失」という視点を持ってほしい

ローンの返済に充てているお金、管理費・修繕積立金として出ていくお金。もしそれを別の用途に使えていたら、どうなっていたか。

一つ、試算してみます。

投資用マンションの被害相談が最も多かった時期(2018年前後)の1〜2年前、つまり2016〜2017年ごろにマンションを購入した方を想定します。そのとき、ローン返済や管理費として毎月3万円が出ていったとします。

もし同じ3万円を毎月、全世界株式インデックスファンド(現在のオルカンにあたるもの)に積み立てていたとしたら、どうなっていたでしょうか。

全世界株式インデックスの円ベースの長期リターンは年率9〜10%程度で推移してきたというデータがあります。仮に年率9%で約9年間、毎月3万円を積み立てていたとしたら、元本約324万円が約480〜500万円に。150万円以上の利益になっていた可能性があります。2016〜2017年当時はすでに一般NISAが使える時代でしたから、NISA口座なら非課税、特定口座でも税引き後で約120万円の手取り利益が残る計算です。

上記は結果論ですが、投資にはリスクがあり、元本割れする可能性もあります。ただ、「毎月の手出しがゼロだからいい」という判断が、実は大きな機会損失を生んでいたかもしれないという視点は、持っておいてほしいと思っています。

投資は「その資金が最も活きる使い方をできているか」で判断するものだと思います。


③「売り時」は断言できない。けど…

「いつ売れば一番高く売れるか」——これは正直、誰にもわかりません。私にもわかりません。

ただ、ここ最近不動産価格高騰のニュースが度々テレビから流れてきてます。

10年近く物件を持ち続けて、不動産業者とのやり取りに疲れて、しばらくそういう世界から距離を置いていた方——そういう方が久しぶりに査定をしてもらってみると、自分が思っていたより高い数字が出る可能性があるかもしれません。

つい最近、友人が投資目的ではなく購入した中古マンションを売りに出したところ、思いがけず少しプラスになったと話してくれました。「今は不動産バブルかもしれない」と、そのとき改めて感じました。

売ると決めなくていい。ただ、一度現実の数字を見てみることが、判断の出発点になると思っています。


まず、今の物件の価値を知ることから

「手放すべきかどうか」を判断するには、まず今の物件が市場でどう評価されるかを知ることが第一歩です。査定はあくまで「市場に出せる価格の目安」であり、実際にその価格で買い手がつくとは限りません。売却には時間がかかることもありますし、市場の反応を見ながら価格を調整していく必要もあります。それでも、現状を知らないまま判断することと、数字を見た上で判断することは、まったく違います。

査定をしたからといって、すぐに売らないといけないわけではありません。現状を知った上で、持ち続けるか手放すかを判断する——それだけで、オーナーとしての選択肢が広がります。


まとめ

あなたの物件が今どういう状態にあるか——一度立ち止まって確認してみてください。

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