「毎月の手出しはない。でもなんとなく不安…」
そういう状態で判断を先送りにしているオーナーさんを、現場でたくさん見てきました。
この記事は「売りましょう」と言いたいわけではありません。ただ、トントンという状態を「問題なし」と判断する前に、知っておいてほしいことがあります。
「見えていないコスト」という存在
毎月の収支がゼロでも、将来かかるコストはすでに積み上がっています。
- 築年数とともに増える設備交換費用(給湯器・エアコンなど)
- 大規模修繕の一時負担金
- 修繕積立金の値上がり
これらは今は見えませんが、いずれ必ずかかります。トントンの収支が、これらを織り込んでいるかどうか、一度確認してみてください。
(参考:国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン)
物件の価値は時間とともに変わる
ワンルームマンションの資産価値と家賃相場は、基本的に築年数とともに下がります。「今トントン」が「5年後もトントン」とは限らない、ということは頭の片隅に置いておいてほしいのです。
現状が永続するという前提で判断するのは危うい、ということです。
相続のことも、少しだけ考えてみてほしい
オーナーさん本人が管理できている間はいいですが、相続が発生したとき、ワンルームマンションは遺族にとって「管理しなければならない資産」になります。名義変更・相続登記・ローン引き継ぎなど手続きが複雑で、遺族に大きな負担をかけるケースは珍しくありません。
資産として残したいのか、そうでないのか。元気なうちに家族と話しておくことも、選択肢のひとつだと思います。
(参考:法務省 相続登記の申請義務化について)
「損していない」と「うまくいっている」は別の話
収支がゼロというのは「損していない」状態です。でも、その物件に縛られているローンや資金には、別の使い道があったかもしれません。
「今の状態を正確に把握できているか」を問いたいのです。
判断するために、まず「今いくらか」を知る
売却するかどうかは別として、今の物件がいくらで売れるかを知っておくことは、判断の材料になります。査定は無料でできて、依頼したからといって売る義務はありません。
「今いくらか」を知ることで、ぼんやりした不安が少し整理されることがあります。
まとめ
トントンという状態は悪くありません。ただ、以下の点は一度確認してみてください。
- 見えていないコスト(修繕・設備交換)を織り込んでいるか
- 5年後・10年後の収支をイメージできているか
- 相続のことを考えたとき、家族に話せているか
答えはオーナーさん自身が出すものです。この記事が、その判断のきっかけになればいいなと思います。


コメント