「サブリース 解約」で調べると、出てくるのは「できない」という話ばかりです。
正当事由が必要です。判例ではこうなっています。弁護士に相談しましょう——。読んでいるうちに、諦める気持ちになってきます。
なぜそう言われるのか。そして、ワンルームオーナーさんの場合はどうなのか。順番に整理します。
「できない」と言われるのは、この条文があるからです
サブリースでは、業者が借りる側になります。オーナーさんは貸す側です。

借地借家法には、こう書かれています。
建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する(第27条)
建物の賃貸人による…解約の申入れは、…正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない(第28条)
「賃貸人」がオーナーさん、「賃借人」が業者です。貸している側から解約を申し入れるには、正当事由が必要と定められています。
企業のサイト等が「解約できない」と言っているのは、この条文の話のことです。
ただし、これは「解約を申し入れて、業者が拒んだとき」の話です
契約書に「解約したい場合は◯ヶ月前に通知し、違約金として賃料の◯ヶ月分を支払う」と書かれていることがあります。
その条件どおりに手続きを進めて、業者が応じた場合は、双方が納得して契約を終わらせる形になります。正当事由を争う場面にはなりません。
私が会社の業務としてお手伝いしたケースは、いずれもこの形でした。
そのときの話は「買ったこと自体を後悔していました」にまとめています。裁判はしていません。契約書に書かれた条件で、事務手続きを進めました。
ただし、これは私が関わった範囲の話です。契約内容も、業者の対応も、一件ずつ違います。
通知しても、業者が応じないことがあります
契約書に沿って解約通知を出しても、借主側のサブリース業者が承諾しないケースがあります。
このとき初めて、先ほどの第28条が問題になります。業者が居座る姿勢を見せた場面で、正当事由の話が出てくるという順番です。
どういう言葉で引き止められるかは、「ワンルームマンションのサブリース契約は解約できる」の中で、業者からよく言われる言葉としてまとめています。
ここから先は、ご自身だけで進めることは難しいと判断できます。サブリース業者とのやり取りが噛み合わなくなった時点で、専門家に入ってもらうことをお勧めします。
ワンルームオーナーさんが「正当事由」で戦うのは、現実的でしょうか
正当事由として考慮される条文には、こう書かれています。
建物の使用を必要とする事情(第28条)
区分のワンルームを1室持っているオーナーさんの場合、「自分がその部屋を使う必要がある」と主張できる事情は、多くありません。
ただ、戦う土俵は借地借家法だけではありません。
真っ向から戦いたいという方は、弁護士に相談してください。戦うと決めたなら、専門家と一緒に正々堂々と進めるのが一番です。
そもそも契約のさせ方に問題があった場合——十分な説明がないまま結ばされた、将来の家賃について事実と違う説明を受けた、といった経緯があるなら、別の法律で争う入口もあります。
どの法律のどの条文で争うのが有利かは、契約書と当時の経緯を見た専門家でなければ判断できません。当時の資料が残っているかどうかも大きく効いてきます。
相談先が分からない方は、「無料で相談できる公的な窓口」に法テラスなどをまとめています。
ただ、多くの方が求めているのは勝つことではなく、この状態から抜けることではないでしょうか。
だから、まず契約書を見ます
自分の契約書に、解約について何と書かれてあるのか。
解約予告期間、違約金の有無と金額、解約の条件——ここが分かれば、取れる道が見えてきます。
手順は「ワンルームマンションのサブリース契約は解約できる」にまとめました。違約金がいくらになるかは「サブリース解約の違約金、相場は?」に書いています。
最後に
「解約できない」と書かれた記事を何本も読んで、疲れてしまった方もいると思います。
条文が言っているのは「揉めたときは正当事由が要る」ということであって、「契約書に沿って解約することもできない」という意味ではありません。
まず、手元の契約書を開いてみてください。
参考にした資料
- 借地借家法(e-Gov法令検索)第27条・第28条

