「サブリース契約は解約できない」と思っていませんか?
確かに、一筋縄ではいきません。でも、諦める必要はありません。私が実際に会社の業務として、オーナーさんの解約を最後までサポートした経験から、正直にお伝えします。
「解約できない」は本当か?
サブリース契約の解約が難しい理由は、前回の記事でも書きました。借地借家法によって、サブリース業者の方が法律上強く保護されているからです。
でも「難しい」と「できない」は全く違います。
なぜ「解約できない」と書かれた記事ばかり出てくるのかは、「「サブリースは解約できない」と言われる理由」に条文から整理しました。
契約書の内容をきちんと確認して、費用と期間を把握して、正しい手順で進めれば、解約できる可能性は十分にあります。実際に私は、会社の業務としてオーナーさんの解約を最後までやり遂げた経験があります。
そのときの話は「買ったこと自体を後悔していました」にまとめています。
まず契約書を確認する
解約の第一歩は、手元にある契約書を確認することです。
見るべきポイントはここです:
・解約予告期間(3ヶ月前・6ヶ月前など)
・違約金の有無と金額(「賃料の○ヶ月分」という形で記載されていることが多いです)
・解約の条件
ただし注意点があります。
これは一般的な契約内容の話です。中には解約条件が極端に厳しく設定された契約書も存在します。まず自分の契約書をきちんと確認することが最初の一歩です。内容が複雑でよくわからない場合は、法テラスや消費者ホットラインに相談することをおすすめします。
解約の2つのパターン
パターンA:違約金を払って今すぐ解約
お金はかかりますが、早く解決できます。精神的な負担を早く終わらせたい方に向いています。違約金は契約書に「賃料の○ヶ月分」というかたちで記載されていることが多いです。まず契約書を確認してみてください。
違約金が実際にいくらになるかは、サブリース解約の違約金、相場は?にまとめました。
パターンB:予告期間を置いて費用なし解約
契約書の内容によっては、違約金なしで解約できる場合があります。予告期間は契約書によって異なり、6ヶ月前のケースもあれば3ヶ月前のケースもあります。時間はかかりますが、費用ゼロで解決できます。
費用を取るか、時間をかけるか。どちらが正解というわけではなく、オーナーさんの状況と判断次第です。
解約通知の出し方(内容証明郵便の手順)
解約の意思は、電話や口頭だけで伝えるのではなく、書面で残すことをおすすめします。「言った・言わない」の争いを防ぐためです。
一般的に使われるのが「内容証明郵便」です。いつ・誰が・どんな内容の手紙を出したかを、郵便局が証明してくれる仕組みです。
手順はこんな流れです。
1. 解約通知書を作成する(物件名・契約日・解約希望日・契約書の該当条項を明記)
2. 同じ内容の書面を3部用意する(相手用・自分用・郵便局保管用)
3. 内容証明を扱っている郵便局(集配郵便局など)に持ち込む
4. 「配達証明」も一緒に付ける(相手にいつ届いたかの証明になります)
最近はネットから出せる「e内容証明(電子内容証明)」もあります。1行あたりの文字数など細かい書式ルールを気にせず作れるので、慣れていない方はこちらの方が楽かもしれません。
解約予告期間は「通知が相手に届いた日」から数えると考えておくと安全です。ギリギリではなく、余裕を持って出してください。
書き方に不安があれば、法テラスや消費者ホットラインに相談してから出しても遅くありません。
業者からよく言われる言葉と、その受け止め方
解約を切り出すと、業者から引き止めの言葉が返ってくることがほとんどです。私が業務でオーナーさんの解約をサポートしていたときも、いろいろな言葉を聞いてきました。
「借地借家法があるので解約できません」
業者が法律で保護されているのは事実です。ただ、契約書に解約条項があるなら、その条項に沿った解約まで拒めるわけではありません。「契約書の第○条に基づいて解約します」と、条項を示して淡々と伝えるのが基本です。
「解約すると空室リスクで大変なことになりますよ」
不安を煽る言葉ですが、解約するかどうかを決めるのはオーナーさん自身です。売却を予定しているなら、空室リスクの話はそもそも関係ありません。
「担当者が変わるので、その話はまた改めて」
時間稼ぎのパターンです。だからこそ、書面(内容証明)で解約の意思と日付を残しておくことが効いてきます。
「本人から直接連絡させてください」
代理を立てている場合に出てくる言葉です。委任状などの書類を整えていれば、代理経由で進めて問題ないケースがほとんどです。
強い口調で脅されるケースもあります
「解約するなら違約金を全額請求しますよ」「裁判になりますよ」など、威圧的な言葉で引き止められたという話も耳にしてきました。
でも、知っておいてほしいことがあります。サブリース契約の解除を妨げるために業者がオーナーを威迫する行為は、法律(賃貸住宅管理業法)で禁止されています。ここでいう威迫は、脅迫のような強烈なものだけでなく、不安を抱かせるような言動も含まれます。脅すような言動をしてきた時点で、業者側が一線を越えているのです。
怖いと感じたら、日時・担当者名・言われた内容をメモや録音で残してください。そのうえで、消費者ホットライン(188)などの窓口に伝えてもらえたらと思います。記録が残っているだけで、その後の話がずっと進めやすくなります。
大事なのは、感情で言い返さないことです。相手は交渉のプロで、こちらを動揺させるのも仕事のうちです。「契約書に基づいて、書面で進めます」という姿勢を崩さないことが、一番の防御になると感じています。
やり取りが精神的にしんどくなってきたら、一人で抱え込まず、公的な相談窓口を頼ってください。
自分でやるか、代理を立てるか
自分で交渉する場合
サブリース業者と直接やり取りするので、一番スピーディーです。精神的にしんどい部分はありますが、交渉の手応えを自分で感じられます。
代理を立てる場合
ワンクッションあるので時間はかかります。書類の提出(媒介契約書・委任状など)を求められることが多く、タチの悪い業者になると「本人から直接連絡させろ」と要求してくることもあります。
でも、諦めずに進める価値はあります。
どちらを選ぶかは、性格と状況次第です。業者とのやり取りが精神的に難しい方は、代理を立てた方がいい。自分でできそうな方は、直接交渉の方が早い。
解約した後の出口
サブリースを解約した後、物件をどうするかという選択肢があります。
投資家に売る
きちんと管理された物件として、普通に売却できます。売却の手順については「ワンルームマンションを売りたい、でも何から始めればいいかわからないあなたへ」にまとめています。
業者がリノベして再販することもある
空室でも、リノベーションして再販したい業者が買い手として現れることがあります。
そして今は追い風の時期かもしれません。不動産価格が上昇している今、売却してみたら思いがけずプラスになるケースも出てきています。急かすわけではありませんが、知っておいて損はない情報です。
サブリースについては、他の記事でも書いています。
・解約した後の管理はどうなる? → サブリースを外すと、何が変わるのか。その後に必要なこと。
・今の管理会社への不満が出発点の方へ → 管理会社・サブリース業者に不満があるオーナーさんへ|私が見てきた現実
・売却まで視野に入れている方へ → ワンルームマンションを売りたい方へ|サブリースあり・なし別の売却手順
・売る前に、いまいくらか知りたい方へ → ワンルームマンションの査定と、営業電話を最小限にする頼み方
まとめ
サブリース契約は、決して解約できないものではありません。
大事なのはこの3つです。
契約書の内容を確認する。費用と期間を把握する。自分に合った方法で進める。
一人で抱え込まず、まずは公的な相談窓口に連絡してみてください。
消費者ホットライン:☎188(いやや)
(平日9時〜17時、土日祝10時〜16時、年末年始除く)
東京都 投資用不動産特別相談窓口:☎03-5320-5071
(電話予約:平日9時〜17時30分、要事前予約)
法テラス:☎0570-078374
(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)
「なんかおかしいな」と感じながらも動けずにいる方は、「そのワンルームマンション、なんか変だと思いながら何もできていない人へ」も読んでみてください。
もしワンルームマンション投資のことで「どこに相談したらいいんだろう?」と思ったら、お問い合わせフォームからご連絡ください。お名前は任意です。一緒に考えます。
業者が解約を止めたがる理由については「サブリース業者が「入居者の家賃」をオーナーに教えたがらない理由」に書きました。

