前回の記事で「突然の電話には注意してください」と書きました。
実は、私もやっていました。
不動産会社に勤めていた頃、勤務先の会社が名簿屋から購入したリストを使って、見知らぬ方に電話をかけ続けていました。
電話をかけるたびに、心のどこかで「やだな」と思っていました。相手は突然かかってくる電話に戸惑っているのに、それでもトークスクリプト通りに話し続ける。あの「やだな」という気持ちを、私はずっと忘れられませんでした。
こんなにいるの?という驚き
でも同時に、驚いたことがありました。勤務先の会社が名簿屋から買ったリストには、ワンルームマンションを所有しているオーナーさんの情報が絞り込まれて載っていました。その数たるや、全国に膨大な数のオーナーさんが存在していたのです。「こんなにいるの?」と驚愕しました。
当然ながら、ほとんどの方は警戒しています。突然かかってくる電話に心を開いてくれる人はほんの一握りです。でも電話をかけながら、ふとこう思いました。
「こんなに多くのオーナーさんがいるのに、本当に成功している人はどのくらいいるのだろうか。もし本当に成功していたら、こんな電話に対して怒ったりガチャ切りしたりはしないだろうな。」
北海道のオーナーさんのこと
そんな中でも相談してくださったオーナーさんがいました。北海道にお住まいの方で、確か公務員の先生をされていた50代の方だったと思います。都内に3件のワンルームマンションを買わされていました。手出しが続き、本当に藁をもつかむ思いだったのかもしれません。
お話を聞いて、さらに驚いたことがありました。そのオーナーさんは、自分が所有している物件を一度も見たことがないとおっしゃっていたのです。本来、購入前に現地を見て説明を受けるのが当たり前のはずです。それをせずに契約させた。そして1件目で手出しが出ると「入居者付きの物件が出ました。マイナスを埋めるのにいいですよ」と言って2件目、3件目を買わせていく。業者による書類の偽造まで絡んでいたのだろうと、今では思います。
先生という責任ある立場で、きっと家族にも相談できなかったのだと思います。優しそうな方でした。一人で何年も抱えてきたのだろうと思うと、胸が痛かった。
1件、サブリースを解約して売却できた時は、私も本当に嬉しかったです。
今思うこと
あの電話営業は、正しいやり方ではありませんでした。会社が名簿屋から買ったリストを使って、知らない方に突然電話をかけ営業する。あの時も今も、自分ならやりたくないと思います。
でも同時に、あの電話がなければ出会えなかったオーナーさんがいたことも事実です。北海道の先生もそのひとりでした。
やり方はアウトローでも、結果的に誰かの重い足枷を外す手助けができた。そう思うと、複雑な気持ちになります。
このブログを書いているのは、あの頃出会えなかった方々にも届けたいからかもしれません。一人で抱えている方が、このブログを読んで「動いてみようかな」と思ってくれたら、それだけで十分です。
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