サブリース契約は、解約するに越したことはありません。
ただ、解約した後のことを考えると、途端に不安になるオーナーさんも多いと思います。「解約して、その後どうするの?どうなるの?」という疑問が出てきてしまいます。
この記事では、サブリースを解約すると何が変わるのか、そしてその後どんな選択肢があるのかを整理します。
①そもそも、なぜサブリースはダメなのか
サブリース契約は、不動産会社がオーナーさんの物件を借り上げて、入居者に転貸する仕組みです。

「家賃保証」という言葉で売られることが多いですが、実態はこうです。
- 家賃の一部をサブリース会社に取られ続ける
- 市場の家賃相場が上がっても、オーナーさんの手取りは増えない
- 契約内容によっては、解約したくてもなかなか解約できない
- 物件を売却しようとしても、買い手がつきにくくなる
「安心のため」と思って結んだ契約が、気づけばオーナーを縛る枷になっているケースが少なくありません。
②サブリースを解約すると何が変わるか
サブリースが外れると、まず手取りが変わります。これまでサブリース会社に抜かれていた分が、そのままオーナーの収入になります。
そして、大きく変わるのが売却のしやすさです。サブリース付きの物件は、買い手もそのままサブリース契約を引き継ぐことになります。そのため、サブリースの仕組みを理解した上で引き継いでくれる買い手を見つける必要があり、買い手の幅が狭まりやすいのが現実です。サブリースが外れると、一般の個人買い手はもちろん、サブリース付き物件を敬遠していた投資家や業者にも売れるようになるため、売却の選択肢が広がります。
③サブリースの解約方法
サブリースを解約するには、主に3つの方法があります。
自分で交渉する
サブリース業者に直接、解約の申し入れをする方法です。費用はかかりませんが、業者から「違約金が発生する」「契約上できない」などと言われ、交渉が難航することもあります。
媒介契約を結んだ不動産業者に代行してもらう
サブリース解約の実績がある不動産業者に依頼する方法です。業者が代理で交渉してくれるため、オーナー自身が直接やり取りする負担が減ります。売却も視野に入れている場合は、この方法がスムーズなケースが多いです。
弁護士に入ってもらう
業者の対応が悪質な場合や、法的な問題が絡む場合は、弁護士に依頼するのが確実です。費用はかかりますが、法的な根拠をもとに交渉・対応してもらえます。
④解約後、管理はどうするか
まず、入居者との契約はどうなるのか
サブリース契約では、オーナーさんは物件をサブリース会社に貸し、サブリース会社が入居者に又貸ししています。つまり入居者にとっての大家さんは、オーナーさんではなくサブリース会社です。
サブリースが解約されると、この関係が変わります。入居者との賃貸借契約は、原則としてそのままオーナーであるあなたに引き継がれます。入居者を追い出す必要はありませんし、逆に入居者から出ていかれることもありません。
引き継ぎで確認しておきたいのが、次の3つです。
① 敷金
入居者が退去するとき、敷金の精算義務は貸主にあります。サブリース会社が預かっている敷金を引き継がないと、オーナーさんが自腹で返すことになりかねません。解約の話をする段階で、敷金の残高と引き継ぎ方法を書面で確認してください。
② 契約書の原本と入居者情報
賃貸借契約書、入居申込書、連帯保証人の情報、家賃保証会社を使っているならその契約内容。これらがないと、入居者とのやり取りが始まりません。管理会社を新しく決めるにも必要な書類です。
③ 入居者への通知
家賃の振込先が変わるので、入居者への案内が必要です。誰がいつ通知するのかを決めておかないと、家賃が旧口座に振り込まれ続けたり、入居者が混乱したりします。
契約書を新しく巻き直す必要は、原則としてありません。ただ、実務では新しい管理会社の書式で覚書を交わすこともあります。このあたりは管理会社を決めるときに相談してみてください。
管理体制をどうするか
サブリースを解約した後の管理には、2つの選択肢があります。
別の管理会社に切り替える
サブリースではなく、通常の管理委託契約を結ぶ方法です。家賃の5〜10%程度の管理費で、入居者対応や家賃集金を代行してもらえます。サブリースと違い、家賃の大部分はオーナーの手元に残ります。
自主管理に切り替える
自分で入居者対応・家賃管理をすべて行う方法です。管理費はかかりませんが、手間と時間が必要です。
サブリースが外れたからといって、すぐに売れるわけではありません。売却活動中も入居者さんへの対応は続きますから、管理会社か自主管理か、どちらかの体制は必ず整えておく必要があります。
⑤売却を選ぶなら、不動産業者が必要になる
売却を選ぶ場合、不動産業者のサポートが必要になります。オーナー自身が買い手を見つけて個人間で売買することも法律上は可能です。その場合、宅建業法上の重要事項説明の義務はありませんが、契約トラブルのリスクが高く、買主が住宅ローンを利用する場合は金融機関から宅建業者作成の重要事項説明書を求められるのが一般的です。
現実的には、買い手を自分で見つけることも難しいため、不動産業者を通すのが一般的です。ただし、どの業者でもいいわけではありません。
サブリース物件の売却には、特有の知識と経験が必要です。「サブリース解約の実績がある業者」「投資用ワンルームマンションの売却に慣れている業者」を選ぶことが、スムーズな売却への近道になります。
業者に依頼する際、媒介契約の種類を選ぶ必要があります。
一般媒介契約
複数の業者に同時に依頼できる。競争が生まれる反面、業者1社あたりの動きが鈍くなりやすい。自分で買い手を見つけた場合は直接売買も可能で、その場合は仲介手数料が不要。ただし契約書類の作成を専門家に依頼する場合は、その費用が別途かかる。
専任媒介契約
依頼できる業者は1社のみ。業者が積極的に動きやすい。自分で買い手を見つけた場合は直接売買も可能で、その場合は仲介手数料が不要。ただし契約書類の作成を専門家に依頼する場合は、その費用が別途かかる。
専属専任媒介契約
依頼できる業者は1社のみで、自分で買い手を見つけた場合も必ずその業者を通さなければならない。業者が最も積極的に動く反面、売主の自由度は最も低い。仲介手数料(売買価格×3%+6万円が上限)が必ず発生する。
ここの説明を、業者側の損得まで含めて詳しく書いた記事があります。ワンルームの売却、媒介契約はどれにする? 業者の力の入れ方が変わる理由
まとめ
サブリースを解約すると、手取りが増え、売却しやすくなります。解約方法・解約後の管理・売却の流れを理解した上で、一歩ずつ進めていくことが大切です。
私が不動産業者として携わっていた頃は、「相談」「媒介契約」「サブリース解約」「管理委託契約上の管理」「売買仲介」を一気通貫で対応していました。手数料はいただきますが、この形式が一番オーナーさんにとって負担が少なく、スムーズに手放せる流れだと思います。
まずは試しに、お持ちの物件がいくらで売りに出せるか、査定してみてはいかがでしょうか。査定の頼み方と値段の決まり方は「ワンルームマンションの査定」にまとめました。査定をしたからといって、すぐに売らなければいけないわけではありません。現状を知った上で、持ち続けるか手放すかを判断することもできます。手放す判断をしたとして、なかなか買い手が見つからず、思いのほか市場価格が低く評価されてしまったというショックを受ける可能性もありますが、逆に思わぬ高値がつく可能性を秘めているかもしれません。
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