金利が上がると、ワンルームマンションの売値はどうなるのか

窓辺の机で新聞を広げて読む50代くらいの男性を右斜め後ろから写した写真。窓の外にヨーロッパの街並みが見える 売却・査定

日本銀行は2026年7月31日、政策金利を1.0%程度で推移させることを決めました。

この決定は賛成8・反対1でした。反対した委員は、1.25%への引き上げを提案しています。

金利が動くと、ワンルームの何が変わるのか。まずオーナーさん自身に起きること、次に買う人の側に起きること。この順番で書きます。

【前半】オーナーさんの側に起きること

持ち続けている間、返済額は動きます

変動金利で借りている場合、金利が上がれば返済額も上がります。

家賃は上げられません。入居者がいる部屋の家賃を、こちらの都合で変えることはできません。サブリースなら、なおさらです。

つまり、入ってくるお金はそのままで、出ていくお金だけが増えます。

毎月3,000円の手出しが5,000円になる。1万円になる。一度に大きく変わるわけではないので、気づいたときには「いつの間にか」という感覚になります。

しかも、この状態には終わりが見えません。返済が終わるまで続きます。

※返済額の変わり方は契約によって違います。5年間は返済額を据え置く決まりがついている場合もあります。ご自分の契約書か、借入先に確認してください。

「持っていれば損はしない」わけではありません

毎月の手出しが続いていても、「売れば取り返せる」と考えている方がいると思います。

でも売値は、買う人の事情で決まります。こちらが払ってきた金額でも、残っているローンの額でもありません。

では買う人の側で何が起きているのか。後半で見ていきます。

【後半】買う人の側に起きること

買う人は「利回り」で値段を決めます

投資用ワンルームを買うのは、投資家です。買う人が見るのは「この部屋を買うと、いくらの収入になるのか」ということになります。

だから値段は、家賃から逆算されます。

家賃10万円、利回り5%を求める買主なら
10万円 × 12ヶ月 ÷ 5% = 2,400万円

この計算のしかたは「ワンルームマンションの査定」に書きました。

「利回り計算」がピンとこない方へ

利回り5%は、「1年で、買った値段の5%分の家賃が入ってくる」という意味です。

5%を20回積み上げると100%になるので、20年で買った金額と同じだけの家賃が入る計算になります。

年間の家賃120万円 × 20年 = 2,400万円。

利回りが6%になると、約16.7年で同じところに届きます。

120万円 × 16.7年 = 約2,000万円。

金利が上がると、買う人の手元が変わります

買う人が見ているのは、家賃から返済を引いて、手元にいくら残るかです。

金利が上がると返済が増えるので、残る額が減ります。

買う人からすると「この値段では、手元に残る額が減ってしまう」という状態です。だから「2,000万円まで下がるなら買います」となります。

同じ家賃10万円の部屋で、買う人の出せる額だけが変わるとどうなるか。

買う人が出せる額そのときの利回り
2,400万円5%
2,000万円6%
約1,714万円7%

家賃は1円も変わっていません。買う人の懐事情が変わっただけで、400万円の差になります。

つまり、持ち主にも買い手にも影響してきます

金利が上がると、オーナーさんの返済は増え、買う人は出せる額が下がります。

金利が上がる局面では、持っている間に返済額が増えることはもちろんですが、売値にも影響してしまい売り難くなってしまうのです。

それでも、慌てて売る必要はありません

ここは正直に書きます。

私は、これから金利がどうなるかを予測できません。上がり続けるのか、止まるのか、下がるのか。それは誰にも分かりません。

お伝えしたいのは、「今いくらなのか」を知っておいてほしいということだけです。

数字を知らないまま持ち続けるのと、知った上で持ち続けるのとでは、同じ「持ち続ける」でも意味が違います。

まず、今の値段を確かめる

査定は無料で、売らない判断もできます。詳しくは「ワンルームマンションの査定」に書きました。

自分で調べる方法もあります。レインズマーケットインフォメーションと不動産情報ライブラリなら、どこにも連絡せずに成約価格を見られます。こちらも同じ記事の中に書いています。

残債のほうが多く、不安を抱えている方に向けて、大きな決断の前に取れる道があるかもしれません。「任意売却の前に確認してほしいこと」も読んでみてください。

最後に

金利のニュースを見て、不安になった方もいると思います。

でも数字が出れば、不安は「判断できること」に変わります。

今日は、家賃を12倍して利回りで割ってみるだけ、数字にしてみてください。

参考にした資料

この記事を書いた人
いずみ

宅地建物取引士。不動産業界での実務経験を持つ元スタッフ。サブリース解約・売却支援・賃貸管理など、困ったオーナーさんに寄り添ってきた経験から、業界の本音を届けます。知識より経験を大切に、一緒に考えていきます。

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