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「高く売れる」だけが正解でしょうか
売却の話になると、どうしても「いくらで売れるか」に目がいきます。
でも、少しだけ立ち止まってみてください。高く手放すことは、本当にあなたの幸せでしょうか。
高く売るには、買ってくれる人が現れるまで待つことになります。その間も、毎月の支払いは続きます。半年待って50万円高く売れたとして、その半年ぶんの手出しと気持ちの負担は、どこにも計上されません。
逆に、少し安くても来月終わるなら、そのほうがいいという方もいます。
どちらが正しいという話ではありません。あなたが何をしたいかで、選ぶ方法が変わります。
仲介と買取は、買う相手が違います
違いはひとつだけです。誰が買うのか。
仲介は、不動産会社が買主を探してきます。買うのは、別の個人投資家さんです。不動産会社は間に入って、売主と買主をつなぎます。
買取は、不動産会社そのものが買います。買主を探す必要がありません。
ここが違うだけで、内容は大きく変わります。
仲介でできること、できないこと
できること
市場に出して、買いたい人を広く探せます。条件の合う人が見つかれば、その人が納得した金額で売れます。
できないこと
いつ売れるかを決められません。買いたい人が現れるまで待つことになります。1ヶ月で決まることもあれば、半年動かないこともあります。
その間、売り出していることが周りに知られる可能性もあります。
なお、仲介では不動産会社に仲介手数料を支払います。上限は法律で決まっています。売買価格が400万円を超える部分は3%(よく使われる「3%+6万円+消費税」は、これを一本の式にしたものです)。
(昭和45年建設省告示第1552号「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」)
買取でできること、できないこと
できること
売る時期を決められます。買取業者が買うので、買主を探す時間が要りません。話がまとまれば、数週間で終わることもあります。
売り出しをしないので、周りに知られにくいという面もあります。
できないこと
高値で売ることが難しくなります。買った業者は、その後に売って差額を利益とします。その為、「いかに安く仕入れるか」が買取業者の肝になるからです。
「相場の何割になるのか」は、この記事では出せません。同じワンルームでも、立地や築年数、入居の状況で価格は大きく変わりますし、私には想像もつきません。
ご自分の物件がいくらになるかは、買取の査定と仲介の査定を両方取って、並べてみてください。差額を見れば、早く終わることにいくら払うのかが分かります。
サブリースが付いたままでも買い取ってもらえますか
サブリースが付いている場合、買取業者はその契約ごと引き受けることになります。オーナーが変わっても、サブリース契約はそのまま続きます。
これは民法に定めがあります。
前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する
建物を引き渡している借主は、この対抗要件を備えています。ですから物件が売られると、貸主としての立場は自動的に新しい所有者へ移ります。契約を結び直す必要はありません。
(民法第605条の2第1項「不動産の賃貸人たる地位の移転」)
サブリースが付いたままでも買い取る会社はあります。ただし、引き受ける側から見ると、家賃も管理もサブリース業者に握られた状態の物件となる為、買取金額は低く査定されます。
一方で、解約してから売り出すと、手取りが変わる可能性があります。ただし解約には違約金がかかることが多く、その金額はご自分の契約書に書かれています。
「違約金を払って解約してから売る」と「付いたまま買い取ってもらう」。どちらが手元に多く残るかは、両方の数字を出さないと分かりません。
(違約金の調べ方はサブリース解約の違約金、相場は?に書いています)
並べるとこうなります
| 仲介 | 買取 | |
|---|---|---|
| 買う相手 | 個人投資家 | 買取業者 |
| 金額 | 高くなりやすい | 低くなりやすい |
| 期間 | 読めない | 決めやすい |
| 手間 | かかる | 少ない |
| 確実性 | 売れない可能性がある | 話がまとまれば確実 |
| 仲介手数料 | かかる(上限あり) | かからないことが多い |
選び方は「何をしたいか」で決まります
手取りを増やしたい方
時間がかかっても、少しでも多く残したい。この場合は仲介です。サブリースが付いているなら、解約してから売り出すほうが、金額が変わる可能性があります。
一刻も早く手放して楽になりたい方
安くてもいいから、早く終わらせたい。この場合は買取です。これは負けでも妥協でもありません。時間と気持ちを買い戻す、という選び方です。
サブリースが付いたままの物件や、条件の難しい物件を専門に買い取っている会社もあります。
訳あり物件の専門店【ラクウル】買取を選ぶ場合も、仲介ならいくらになるかを聞いて、並べて比べてから決めてください。買取価格だけを見せられても、それが妥当かどうかは判断できません。
どちらを選んでも、ご自分で決めたのなら、それが正解です。
(査定の取り方はワンルームマンションの査定にまとめています)
最後に
仲介と買取は、優劣ではありません。できることが違うだけです。
高く売れることと、早く手放すことは、同時には手に入りません。どちらを取るのか、そこが決まれば方法は自然と決まります。

