「ワンルームマンション投資はやめとけ」という言葉、よく聞きませんか?
私は以前、不動産業界の内側にいました。その経験から、中立的な立場で本音をお伝えします。
「やめとけ」と言われる理由
① 都心部のワンルームは供給が続いてきた
東京23区の分譲ワンルームマンションは、2000年代初頭から長年にわたって供給が続いてきました。2023年頃から金融機関の融資制限により供給は縮小しつつありますが、それまでに積み上がった在庫は少なくありません。
私が現場で感じていたのは、「立地や築年数によって大きく差がある」ということです。駅近・築浅であれば入居者はつきやすいですが、条件が劣る物件は空室が続くケースも珍しくありませんでした。
また、今の若者の住まいの選び方も変化しています。費用節約のためにルームシェアや激狭物件を選ぶ人が増えており、私の印象では、戦えるのは共用設備付きのシェアアパートか、ファミリータイプの物件ではないかと感じています。
② 買った時点で足枷がついている
ワンルームマンション投資の多くは、サブリース契約とセットで販売されます。つまり買った瞬間から足枷がついた状態でスタートするのです。
サブリースの問題点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ワンルームのサブリース契約は解約できます
③ 売りたい時に売れない
ワンルームマンション投資でいちばん深刻なのに、買う前にはほとんど語られないのがこれです。
新築や築浅で購入した場合、販売価格には販売会社の利益が上乗せされています。そのため買った直後から、残債が売却価格を上回る状態になりやすい。ローンを完済できないと抵当権が外せませんから、売りたくても売れません。
さらにサブリース契約が付いていると、買い手が限られます。手放したいのに手放せず、毎月の持ち出しだけが続く——現場でいちばん多く見てきたのが、この状態です。
出口を確認しないまま入口に立つと、後で選択肢がなくなります。
④「節税になります」という説明について
販売時によく使われるのが「節税になります」という説明です。減価償却で帳簿上の赤字を作り、給与所得と相殺して所得税の還付を受けられる——という仕組みが根拠とされます。
ただ、これには前提があります。帳簿上の赤字は、実際に手元のお金が減っていることと無関係ではありません。還付される税金より毎月の持ち出しのほうが大きければ、トータルでは損をしています。
税務の細かい判断は税理士の領域です。ここでお伝えしたいのは、「節税」という言葉が営業の場でどう使われているかという一点だけです。契約前に、還付額と月々の収支を並べて計算してもらってください。
でも今の市場は少し違う
「やめとけ」とばかりは言えない側面もあります。
東京23区の中古ワンルームマンション成約価格は2013年上期の1,300万円から現在までで約2倍へと上昇しており、2024年上期には過去最高の2,400万円を更新しています。(参照:FGH不動産)
価格が上がっている今、築浅・サブリースなしの物件であれば、以前より条件のいい物件が出てきているケースもあります。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個別の物件によって大きく異なります。
もし買うなら何を見るべきか
それでも買いたいという方へ、最低限これだけは確認してください。
物件だけでなく、販売業者を見る
どんな会社が売っているか。強引な営業をしてこないか。査定の根拠を説明してくれるか。プロセスで見極めることが大切です。
管理会社を自分で選べる物件を選ぶ
サブリース契約が条件になっている物件は避けてください。管理会社を自分で選べる物件が理想です。
サブリースなしが絶対条件
どれだけ条件がよく見えても、サブリース付きの物件は慎重に検討することをおすすめします。
サブリース契約書の解約条項を、契約前に見せてもらう
「解約できます」と口頭で言われても、書面の条件を確認してください。解約に何か月前の予告が必要か、違約金はいくらか。ここを見せたがらない業者は避けたほうがいいです。
家賃保証の見直し時期を確認する
「家賃保証」には見直し条項があるのが一般的です。何年ごとに見直されるのか、下限は決まっているのか。契約書のどこに書いてあるかを聞いてみてください。
その場で契約しない
「今日中なら」「この条件は今だけ」と言われたら、いったん持ち帰ってください。本当にいい物件なら、数日待っても消えません。
すでに持っている人へ
不動産価格が上がっている今、自分の物件の相場を一度確認してみることをおすすめします。結果がどうであれ、知ることは損になりません。動くかどうかはその後で、ゆっくり判断してください。
相場の調べ方はこちらの記事をご覧ください。
→ワンルームマンションを売りたい、でも何から始めればいいかわからないあなたへ
状況に応じて、こちらの記事も読んでみてください。
- サブリースを外したい →ワンルームのサブリース契約は解約できます
- 売却を考えている →ローンが残っていても売却できます
- 返済が苦しい →任意売却の前に確認してほしいこと
- まず相場を知りたい →ワンルームマンションの査定
まとめ
「やめとけ」と言われるのには理由があります。でも一概に全否定できるものでもありません。
大事なのは、正しい情報を持った上で自分で判断することです。
消費者ホットライン:☎188(いやや)
(平日9時〜17時、土日祝10時〜16時、年末年始除く)
東京都 投資用不動産特別相談窓口:☎03-5320-5071
(電話予約:平日9時〜17時30分、要事前予約)
法テラス:☎0570-078374
(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)
もしワンルームマンション投資のことで「どこに相談したらいいんだろう?」と思ったら、お問い合わせフォームからご連絡ください。お名前は任意です。一緒に考えます。
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